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 馬乗とは、男袴の一種で、襠、相引を高く仕立てたものズボンやキュロットスカートのように2つに分かれている形の袴です。既婚・未婚・慶弔など状態や環境に関わらず着用でき、紋付羽織と合わせると正装・礼装に位置します。馬乗袴は、裾下より30cmぐらいがズボン状になっている襠高袴(まちだかはかま) と呼ばれることもあります。これは現在の卒業式などで女性がはく袴とは別の種類です。

 馬乗袴は、元々乗馬用として仕立てられた武士特有の袴で、特に襠が高く、股が深く割れているのが特徴です。馬乗袴は、寛永の頃(1624~43年)に江戸芝神明町の松葉屋理右衛門が仕立て始めたものといわれています。背に蝉形(一名鞍越)という薄板を入れ、襠や相引を高くして寄襞をとり、脛の出ないように作ったもので、裾にビロードなどの縁をつけました。

 この袴は、後には乗馬以外にも用いるようになって、一種の形式的呼称となりました。宝暦の頃(1751~63年)には、武士の間では緞子・紋織りなどで袷仕立ての贅沢なものとなりましたが、小倉木綿の茶縞など粗末なものも利用されました。これと同じ形式で、襠と相引をやや低くしたものを半馬乗袴といいまし。また、各藩の十番町階級の武士たちが多く用いたもので、襠幅を半幅にして仕立てたものを十番馬乗袴といいました。その他製作上には十布遣い・八布遣いなどの馬乗袴があります。明治以降の一般男子の袴は、この形式を踏襲したものであり、男子の正装として用いられました。

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